ケトン食・乳和食・地中海食……etc気になる食事療法の ホントの話/東邦大学医学部臨床支援室教授/東邦大学医療センター大森病院栄養治療センター部長・栄養部部長 鷲澤尚宏 わしざわ・なおひろ 栄養学という学問は歴史的な局面で断続的に変化してきました。あるときは欠乏症対策、あるときは過剰症対策、またあるときは健康維持と、その目的が明確な場合もあれば、曖昧でわかりにくいときもありました。そのなかで疾患という特殊な状態の生体に向いているであろう食事療法が考案されてきました。 健康体ではバランスのよい食事をとるのが基本です。それが疾患によってどのように変化し、疾患治療を理想的にすすめるためにどのようなアンバランスな食事をとらなければならないのでしょうか。 ある特定の目的で効果が期待される食事には、わかりやすさの目的でニックネームがつけられました。ケトン食、ロカボ、乳和食、地中海食、低FODMAP食など、期待される効果が名称から想像されにくいものも含まれます。どの条件を満たせばその名称で呼んでもよいのか、また、その効果はどのように判定するのか、医療における栄養管理を担当するわれわれは、目的意識をもってもう一度勉強し直さなければならないと思います。特集
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