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72Nutrition Care 2020 春季増刊患者説明シートどんな検査なの? 検査のおもな目的は貧血の有無の確認です。検査はいつの時間帯でも可能で、採血でシアンメトヘモグロビン法により測定されます。低値の場合は「貧血」、高値の場合は「多血」といいます。貧血の代表的な疾患は鉄欠乏性貧血です。基準値と異常値 基準値は男性で14~18g/dL、女性で12~16g/dLです。 低値の場合は、出血や偏食などによる鉄欠乏性貧血や骨髄疾患(再生不良性貧血、急性白血病など)、自己免疫疾患(自己免疫性溶血性貧血)などが原因として考えられます。高値の場合は、骨髄での赤血球産生が過剰となる真性赤血球増多症、エリスロポエチン産生腫瘍などによる二次性赤血球増多症、ストレスや脱水などによる相対的赤血球増多症などが原因として考えられます。生活・食事で気をつけること 鉄欠乏性貧血に対しては、鉄分の多い食事をとることが重要です。鉄分の多い食品はかつおやまぐろなどの赤身魚、レバーや赤身肉、しじみやあさりなどの貝類、青菜、豆類、海藻類などです。動物性食品に含まれる鉄のほうが植物性食品に含まれる鉄よりも吸収されやすく、ビタミンCと一緒にとるとさらに吸収がよくなります。ビタミンCはピーマンやブロッコリーなどの野菜、みかんやいちごなどのくだものに多く含まれています。東京医科大学腎臓内科学分野 辻つじもと・りゅうじ本隆史  東京医科大学腎臓内科学分野准教授 長ながおか・ゆめ岡由女6ヘモグロビン(Hb)

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