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59Nutrition Care 2020 春季増刊 正球性貧血の原因としては、溶血性貧血、骨髄疾患、慢性疾患に伴う貧血などがあります。また、消化管出血などの急性大量出血の直後は正球性貧血を呈します。慢性腎不全に伴う腎臓でのエリスロポエチン産生低下で生じる腎性貧血も正球性貧血に含まれます。 大球性貧血の原因としては、巨赤芽球性貧血があげられます。巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸の欠乏が原因となるため、それらの測定および欠乏の原因を検索する必要があります。 一方、多血を呈する原因としては、赤血球が骨髄で腫瘍性に増殖する真性赤血球増多症、エリスロポエチン産生腫瘍(腎がん、肝細胞がんなど)や低酸素血症によりエリスロポエチンが上昇する二次性赤血球増多症、循環血液量が減少することにより相対的に赤血球量が増加する相対的赤血球増多症(脱水、ストレス、喫煙など)があります(表2)2)。栄養管理と栄養指導 鉄欠乏性貧血に対しては、鉄分の多い食事をとるように指導します。鉄分の多い食品はかつおやまぐろなどの赤身魚、レバーや赤身肉、しじみやあさりなどの貝類、青菜、豆類、海藻類表1▲貧血の分類(文献1を参考に作成)小球性貧血(MCV<80fL)・鉄欠乏性貧血(月経過多、消化管出血、偏食による)・慢性炎症に伴う貧血・サラセミア・鉄芽球性貧血正球性貧血(MCV 80~100fL)・再生不良性貧血・赤芽球癆・急性白血病・大量出血直後・自己免疫性溶血性貧血・腎性貧血・悪性リンパ腫やがんの骨髄浸潤・転移・骨髄線維症・形質細胞性骨髄腫・遺伝性溶血性貧血・微小血管性溶血性貧血(TTP/HUS/DICなど)・発作性夜間血色素尿症大球性貧血(MCV>100fL)・巨赤芽球性貧血(ビタミンB12欠乏、葉酸欠乏)・骨髄異形成症候群(MDS)・甲状腺機能低下症・肝硬変*TTP:血栓性血小板減少性紫斑病、HUS:溶血性尿毒症症候群、DIC:播種性血管内凝固症候群表2▲多血の原因(文献2を参考に作成)循環血液量全体の増加血球成分↑真性赤血球増多症(腫瘍性増殖)二次性赤血球増多症(低酸素血症、腫瘍産生によるエリスロポエチン上昇)循環血液量全体の低下血球成分→相対的赤血球増多症(脱水、ストレス、喫煙など)第4章血液一般に関する検査

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