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産業保健と看護2020春季増刊116慢性閉塞性肺疾患3 慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD[シーオーピーディー])は、主に喫煙(タバコ煙の吸入曝露)により、徐々に気道が炎症を起こして気道壁の肥厚を来し、気管支が細くなり(気道狭窄・気流閉塞)、酸素を取り込む肺組織が傷害されて肺胞の壁も破壊されてしまい(肺気腫)、肺の容積が増加して、肺での空気の出し入れ(呼吸)が有効にできなくなってしまう病気です。とくに動くと息が苦しくなります。以前は慢性気管支炎、気管支喘息、肺気腫と呼ばれていたものの一部が含まれます。 長期間の喫煙のため、もともとはきめの細かい肺胞が徐々に拡大していき、目の細かいスポンジのような肺胞の構造が破壊されていくと、数mmから数cmの目の粗い構造となってしまいます(図1、図2)。また、同時に末梢気道(2mm程度に細くなっている、肺の最も深い部分の気管支)の壁も厚くなり、内腔が狭窄・閉慢性閉塞性肺疾患(COPD)はこんな疾患図1 COPDの末梢気道と肺胞領域の病変正 常COPD肺胞接着の消失粘液貯留気道壁の線維化と肥厚炎症細胞の浸潤肺胞壁の破壊と肺胞腔の拡大(気腫性病変)

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