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産業保健と看護2020春季増刊117慢性閉塞性肺疾患Part 23Part 2出会う頻度の高い疾患の知識塞していくため、息が吐きづらく、息を吐くのに時間がかかるようになります(図3)。また、肺は過膨張となり、常時肺には空気が余分にたまっている状態になります。病状が進行すると、胸部X写真では肺野透過性の亢進、心臓後腔および胸骨後腔の拡大、末梢血管影の狭小化・減少、肺門陰影の増強、滴状心、過膨張所見(胸郭前後径の増大、肋間腔の拡大、横隔膜の平低化)が見られるようになってきます(図4)。長期にわたる喫煙歴があり、さらに慢性の咳や喀痰が認められ、階段を昇るときや急いで歩くような労作時に呼吸困難があれば、まずこの病気を疑ってよいと考えます。図2 気腫性病変のHRCT画像A:正常、B:軽度気腫性変化、C:中等度気腫性変化、D:高度気腫性変化肺野条件のHRCT(high-resolution CT)では、気腫性変化が強くなるにつれて、黒く抜けた部分(気腫性変化)がより大きくなり、広範囲に広がります 図3 健康な人とCOPD患者の呼吸吸気時呼気時吸った空気を十分に吐き出せない健康な肺COPD患者健康な肺COPD患者

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