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産業保健と看護2020春季増刊44休業期間中の対応のポイント7 はじめに 事業場でメンタルヘルス不調やがん、脳卒中などの疾病や障害で休職が必要となる労働者には、医学的な専門知識を備え、かつ仕事の状況も理解している産業保健スタッフの支援が欠かせません。中でも、労働者と最も身近な存在である産業看護職は仕事、疾病、生活の状況を熟知しており、産業医や人事労務部門、職場などと適切に連携・調整できるため、両立支援においても役割の発揮が期待されています。休職直前および休職期間中からのきめ細やかな支援は、復職を円滑にする観点からも重要です。 両立支援のための環境整備 突然の疾病の発症、がんの宣告、疾病や障害の悪化などにより、労働者はさまざまな不安や悩みを抱えています(図1)。1 相談窓口の設置 労働者が、このような不安や悩みを安心して吐露できる環境を整えておきます。何でも相談できる場が会社内にあることは、会社そのものへの安心感にもつながります。産業医や産業看護職などの社内の産業保健スタッフが相談窓口となることが適切です。産業医や産業看護職が嘱託の場合は、人事労務担当者が窓口となり、嘱託の産業保健スタッフにつないでもらうとよいでしょう。産業保健スタッフがいない場合は、都道府県に設置されている産業保健総合支援センター(さんぽセンター)に相談することもできます。2 利用しやすい窓口の工夫 相談窓口の場所、担当者、連絡方法などは、社内イントラや掲示板など、すべての労働者が閲覧できる媒体を活用し、浸透するまで情報を発信し続けることが重要です。休職に伴う職場の負荷から職場のストレスが増加したり、疾病を抱えた労働者の対応に戸惑う人事労務スタッフがいることも考えられます。対象者本人に加え本人に関わる職場や人事労務部門も両立支援の対象となることを周知しておきます。12

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