産業保健と看護2020春季増刊45休業期間中の対応のポイントPart 17Part 1両立支援のためにおさえておきたいポイント図1 両立支援が必要となる労働者の思い労働者疾病や障害に関する不安経済的不安生活に関する悩み労働に関する不安病気は治るのかな治療は苦しいのかな医療費はどれぐらいかかるのかな休職中の給料は支払われるのかなどのくらい会社を休めるのだろう子育てや親の介護はどうしよう単身者だしサポートしてくれる人がいない業務の引継ぎがうまくできるかな病気が治っても今まで通り働けるのかな・プライバシーが守れる環境の整備 デリケートな内容を多く含みますので、周囲に知られずに相談できる環境を整えます。プライバシーの守れる相談室の確保が難しく、苦慮されている産業看護職も多いようです。「個人情報保護について管理職に納得してもらえるように説明し、個室を確保した」「利用頻度の少ない部屋を見つけ出し、空き時間を相談室として使えるよう働きかけた」など、会社の状況に応じた努力をしています。・日頃からのコミュニケーション 職場巡視や健康診断時のヘルスインタビュー(健康相談)などを通じて、日頃から労働者とコミュニケーションを円滑にしておくと、労働者からの相談の一歩がスムーズになります。「各部門の朝礼で3分健康豆知識を実施」「健診時の採血の止血時間を利用して労働者とコミュニケーションをとる」「産業医巡視に同行する」など、コミュニケーションを意識した日々の活動をみなさん工夫しています。3 ともに働き続けられる職場風土の醸成:困ったときはお互いさま 職場風土の醸成には、時間と仕掛けとが必要です。誰に、どのような働きかけを行うか、企業の風土も加味しながら計画的に支援を行います。また、復職しづらい空気を感じ退職届を出した、といったことがないようにするためにも、職場風土の醸成は大切です(図2)。
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