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CHAP.1CHAP.2CHAP.3CHAP.4総論 がん患者の緩和ケア苦痛症状の患者説明ガイド症状緩和のための治療・処置疼痛治療の薬剤ポイント集プロフェッショナルがんナーシング 2017 春季増刊28ん。呼吸困難が出現して、生活に影響が出るときに治療が必要になります。胸水を外に出す処置を行なう(胸腔ドレナージ) 胸腔に管を入れ、不要な胸水を体の外に出す方法です。一時的に行なう方法(間欠的ドレナージ)と持続的に行なう方法(持続的ドレナージ)があります。持続的に体の中に管を入れるので、感染の恐れがあります。管の挿入部が痛くなったり、腫れたりした場合は医療者にすぐに報告してください。また、管が入った生活になるため、管が抜けないよう注意してください。胸水がたまらないように処置を行なう(胸膜癒着術) 胸腔ドレナージで胸水を出した後、再び胸水がたまらないようにするため、胸腔に入った管を使って癒着剤を入れます。壁側と臓側の2枚の胸膜をくっつけて胸腔を閉鎖する方法です。無理に炎症を起こして胸膜をくっつけるため、熱が出たり、胸の痛みが出ることがあります。症状が出現したときはすぐに医療者にお知らせください。酸素療法 空気中よりも高い濃度の酸素を吸入し、酸素不足を解消する方法です。鼻にチューブを当てたり、口にマスクをつけて酸素を吸います。部屋の中では吸入しながら生活することになり、酸素の管を長くして部屋の中を移動します。外出の際は酸素のボンベを持って出かけます。長い酸素の管に足を引っ掛けて転ばないように注意してください。また、酸素吸入により口や鼻の粘膜が乾燥しやすくなるので、こまめに水分をとったり、加湿をする、リップクリームを塗るなどして保湿を心掛けてください。薬物療法 医療用の麻薬を使用して、苦しいという感覚を鈍らせます。副作用として眠気や吐き気、便秘が出現することがあります。症状が出現したときには、医療者にご相談ください。症状による日常生活への影響や注意点症状により起こる影響 症状が出現すると、少し動くだけで全力疾走をしたように息切れを起こし苦しくなったり、休んでいても苦しさが出てくることがあります。そうすると、「息切れを感じないように横になっていよう」「動くことがおっくうだ」と感じ、横になっていることが多くなります。仕事や家事など日常的に行なっていたこと、楽しみの時間を持つことができなくなるだけでなく、食事や排泄などごく普通の行動でさえつらくなり、生活の幅が縮められてしまいます。生活に不自由を感じるとイライラしたり、悲しくなるなど気持ちのつらさが生じることもあります。日常生活の工夫・注意点 生活の方法に注意をするだけで、苦しさはやわらぎ楽に生活することができます。①呼吸の方法 口すぼめ呼吸と腹式呼吸を取り入れることで、深い呼吸を助け、酸素を効果的に体に入れることができるだけでなく、浅い呼吸で起こる無駄な酸素の消費を少なくすることができます。息の苦しさがないときから練習を行ない、動くときや苦しくなったときに意識的に行なうようにしましょう。(次ページにつづく)

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