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CHAP.1CHAP.2CHAP.3CHAP.4総論 がん患者の緩和ケア苦痛症状の患者説明ガイド症状緩和のための治療・処置疼痛治療の薬剤ポイント集プロフェッショナルがんナーシング 2017 春季増刊120適切で効果的な説明と介入のために看護師が理解しておくべきこと患者説明の際に気を付けたいポイント1.治療の目的 固形がんの骨転移や多発性骨髄腫の骨病変に対する骨修飾薬の治療は、長期的な継続治療となることが多いです。特に無症状の骨病変を有する患者の場合には、骨修飾薬での治療が開始になると3〜4週に1回の定期的な点滴または皮下注射の実施だけでなく、副作用対策としての日常的な口腔内観察、歯科定期受診やカルシウム製剤やビタミンD製剤の内服が必要になるなど、治療に伴う負担は大きく、長期的な継続治療の有益性が認識されにくいことがあります。患者には、骨折や脊髄圧迫などの重大な骨関連事象が発生すると、痛みや麻痺などの身体症状の悪化とそれに伴う生活への支障から、生活の質(QOL)が大きく低下する可能性があることを丁寧に伝えて、治療の意義が理解できるように支援しましょう。2.副作用対策①急性期反応 投与3日以内に生じる急性期反応(インフルエンザ様症状、発熱、骨痛、関節痛など)は、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)によって対処可能である副作用です。しかし全身状態が悪化している進行がん患者の場合には、一過性であっても発熱や痛みの増強が大きな身体的負担や不安につながるため、症状出現時の対応方法について特に丁寧に確認しておく必要があります。②低カルシウム血症 低カルシウム血症は、投与10日以内に発現し、デノスマブ(ランマークⓇ)で発症頻度が高くなっていますが、ゾレドロン酸(ゾメタⓇ)使用時にも十分注意が必要です。低カルシウム血症時に生じることがあるテタニー症状(手指や口唇、舌のしびれ、動悸、筋痙攣など)について、説明しておく必要があります。③顎骨壊死 顎骨壊死は一度発生すると難治性で、抗がん剤治療スケジュールにも影響する場合があり、特に注意が必要です。発生させないための予防法として、口腔内のセルフチェックのポイント(歯茎の腫脹や歯の動揺、歯痛など)に加えて、日常的な口腔内の清潔を保つセルフケア方法、定期的な歯科受診の重要性について説明しておく必要があります。確認しておきたい患者情報、特に注意が必要なケース ゾレドロン酸(ゾメタⓇ)は、腎排泄される薬剤であり、腎機能低下時には適正に減量する必要があります。血液検査などでの腎機能の状況を確認しておきましょう。また腎機能障害のリスク因子として、年齢(65歳以上)、非ステロイド性消炎鎮痛薬やシスプラチンの併用、糖尿病、多発性骨髄腫があげられています。さらに腎機能障害の発現は、投与回数の増加や長期間投与により頻度が高くなるとされているため、これらのリスク因子が存在している場合には、より慎重な観察が必要になります。 顎骨壊死のリスク因子としては、抗がん剤やホルモン治療、ステロイドの使用、顎骨付近への放射線治療に加えて、抜歯や歯性感染、義歯使用などがあげられています。これまでの治療経過の確認に加えて、齲歯や歯槽膿漏などの歯性感染症の有無など口腔内衛生

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