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がん治療を受ける患者さんは「自分はこれからどうなってしまうのか」と、治療や将来のことをとても不安に感じています。医療スタッフは、できるだけ多くの内容を説明するのではなく、重要なポイントを伝えることが大切です。特に治療のスケジュールや副作用は一番知りたい内容です。レジメンの説明も一方通行にならないようにしましょう。一緒に声を出して読み合わせてみると患者さんの理解もさらに深まります。もう一歩患者さんに歩み寄ってみましょう。寄り添うことで、患者さんの思いも見えてきます。がん治療を受けながら、家族と普通に過ごしたいという思い、仕事もしたいという思い、趣味を続けたいという思い、患者さんには多くの思いがあふれています。もし、自分が患者だったら、これからをどのように過ごしていきたいのか? どのような情報が知りたいのか? 何を助けてもらいたいのか? 本書には「今までどおりの生活をしたい」というがん患者さんの日常生活やお仕事をサポートするヒントがたくさん含まれています。ほかのレジメンもパラパラとめくってながめてみましょう。かわいいイラストとともに、どのページからでも、「おっ! なるほどね!」の知識に出会えるように、工夫してあります。しらないことは恥ずかしいことではありません。まずはこの本を手に取り、1ページ1ページとめくってみましょう。すべての道はローマに通ず! すべてのレジメンはがん治療・ケアに通ず! レジメンを中心に少しずつ少しずつ知識を積み重ねていくことで、きっと、あなたがあこがれるがんナースに通じる道が見えてくることでしょう。それでは、みなさん、本書を海図としてがん治療という海に漕ぎ出していきましょう!千葉西総合病院 腫瘍内科部長/外来化学療法センター長岡元るみ子

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