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「痛み」の定義 まず、痛みとは何でしょうか。英語ではpain(ペイン)といいます。用語の定義を考えると、痛みとは「実際に何らかの組織損傷が起こったとき、あるいは組織損傷が起こりそうなとき、あるいはそのような損傷の際に表現されるような、不快な感覚体験および情動体験」と定義されます1)。言いかえると、痛みとは「自分にしかわからない、嫌なつらい感覚」ということができます。つまり、痛みはいつも本人の主観で決まるものです。自分が頭痛で困っているときに、他人から「頭が痛いの? たいへんね、その痛さ、よくわかるわ」と言われても、疑ってしまうのが本音でしょう。しかし、医療従事者としては「患者さんが痛いと言えば、痛いのだ」と、患者さんの訴えを信じて対応しなければなりません。われわれには、その訴えをしっかりと聴き、適切な対応をしていくことが特に必須な資質といっても、いい過ぎではありません。がん疼痛とがん患者さんの痛み 次にがん疼痛とがん患者さんの痛みとは何かについてお話しします。ここでは、緩和ケアの世界へどこの分野・職種から入門しようとも聞かされる「トータルペイン(total pain)=全人的苦痛」のなかの、「身体的苦痛」の痛みとして説明します。がん患者さんがん疼痛のアセスメントB がん疼痛の緩和 ●痛みは本人の主観です。医療従事者は痛いと言っている患者さんの訴えをしっかり聴きましょう。 ●がん患者さんの痛みがすべてがんと関連するわけではないことを理解しましょう。 ●痛みのアセスメントツールにはVAS、NRS、Face rating scaleなどがあります。ここで覚えておきたいこと!18  YORi-SOUがんナーシング 2019 春季増刊

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