眼科グラフィック vol.8 no.5 2019 493DCP)の4層から構成される6〜9)(図2).SCPは主に神経節細胞層に分布し,ICPとDCPは内顆粒層の上端および下端にまたがるように分布している.脈絡膜血管は短後毛様動脈由来であり,脈絡毛細血管板(choriocapillaris;CC)とおよびHaller層からなる脈絡膜中大血管から構成される(図3).脈絡膜血流は眼内血流の90%以上を占めており,網膜外層への栄養供給とともに眼球の温度上昇を抑える役割を担っている.OCTAは血流情報を層別(3次元的)に評価が可能であることから,本来は4層の網膜血管網をそれぞれOCTAで描出する(図4)ことが組織学的に理にかなっ図1 正常眼のFA(SPECTRALISⓇ Heidelberg Engineering,ドイツ)とOCTA(HS-100Ⓡ キヤノン)A:注射1分時点.B:OCTA(浅層).C:OCTA(深層).FAと比較して,OCTAでは網膜毛細血管が高コントラストで描出されている.また,FAでは判別しづらい深層の毛細血管をOCTAでは鮮明に描出している.ABC図2 正常網膜血管構造とOCTA(HS-100Ⓡ)との対比多くの機種ではOCTA像をRPCsとSCPを合わせてSCP,ICPとDCPを合わせてDCPとして描出している(シェーマおよび鋳型標本像は,それぞれ文献6,196ページと文献7,15,40ページより許諾引用).深層浅層放射状乳頭周囲毛細血管(RPCs)シェーマ6)サル鋳型標本7)OCTA表層毛細血管網(SCP)中層毛細血管網(ICP)深層毛細血管網(DCP)
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