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124 眼科グラフィック vol.9 no.2 2020新しい角膜手術はじめに フェムトセカンドレーザー(femtosecond la-ser;FSL)は,光切断 (photodisruption)の原理によって極めて短時間(約10~15秒)で高出力のエネルギーを圧縮して発振を行う.近年最も進化を成し遂げたレーザーテクノロジーの1つであり,眼科領域にも広く応用されている.任意の深さや方向で自由自在に角膜組織を加工できることから(図1),術者の経験や技量に依存していた眼科手術が変貌を遂げている.レーシックのフラップ作製以外にも,角膜内リング,乱視矯正,屈折矯正,白内障,角膜移植にまで臨床応用されている. 本稿ではFSLの角膜手術における応用として,FSLを用いた全層・表層角膜移植手術やFSLのみを用いた角膜屈折矯正手術であるSMILE(Small incision lenticule extraction)手術を取り上げ,その実際の内容について概説したい.FSLを用いた全層角膜移植  まず人工前房にドナー角膜をセッティングして角膜中央部をマーキングする.その後アプラネーションコーンをドッキングさせて,FSLによる全層角膜切開を行う(図2).フェムトセカンドレーザー角膜手術Go! ▶ 神谷和孝 Kazutaka Kamiya北里大学 医療衛生学部 視覚生理学〒252-0373 神奈川県相模原市南区北里1-15-1図1 FSLによる角膜切開任意の角度や幅を設定し,正確で再現性の高い切開ができる.図2 FSLによるドナー角膜切開人工前房にセッティングしてドナー角膜片を作製する.

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