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医療と介護 Next 2019 秋季増刊8青木●今日は、2040年まで持続可能な医療と介護マネジメントにするためにはどうすればいいのかを、それぞれのお立場から発言いただければと、お集まりいただきました。お手元の資料(図1)は2021年介護保険制度改革の重点事項をまとめたものですが、最後の「5.持続可能な制度の再構築・介護現場の革新」が今回、イノベーションや生産性向上等でクローズアップされています。「持続可能な」というのは、ズバリ言えば財源のことですし、「制度の再構築・介護現場の革新」のためには生産性向上が必要であるということで、今年3月、「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライ医療・介護の生産性は本当に低いのかン」(以下、生産性向上ガイドライン)が作成されたわけです。とくに現場の革新には欠かせないICT、AI、ロボットの導入事例には経済産業省(以下、経産省)も深く関与していることから、今回は経産省ヘルスケア産業課長の西川さんにもおいでいただきました。鈴木・西川・馬袋・吉田●よろしくお願いします。青木●最初に、そもそも日本の医療、介護は本当に生産性が低いのかという問いかけですが、図2(13ページ)からわかるように、日本は国民1人当たりの医療費は低いけれど、医師1人当たりの年間外来患者数はほかの国に比べてダントツに多いんです。つまり、「生産性=資源から付加価値を生み出す際の効率の程度」としてみた場合、日本の医療も介護も生産性は低くないと思うんです。ここを誤解している人がすごく多い。生産性向上は厳しい財政、増えない人材で超高齢社会を乗り切るための最後の切り札。果たして何が変わるのか。2040年を見据えて今こそ問われる医療・介護の生産性Part 1 なぜいま生産性向上なのか

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