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医療と介護 Next 2019 秋季増刊10り、生産性向上はもはややらざるを得ない優先課題ということです。吉田さんは、今回の「生産性向上ガイドライン」とりまとめに関わっていますので、最初にお話しいただければ。吉田●今回、私どもは「生産性向上ガイドライン」のとりまとめをお手伝いさせていただいたんですが、最初に直面したのは、介護の分野での生産性向上とはそもそもなんなのか、ということでした。なにをやったら生産性が上がるのか、これに対する解答が市場にも出回っていませんし、介護の専門の学者の方々も研究している状態ではなかった。とはいえ現場を見ていると、生産性の向上は最終的には国民に帰する募集をしてもなかなか応募がなく、定着させるのも難しいという現状でどうしたらいいか、とりあえずやりながら進めていかなければなりませんでした。青木●人は増やせない、利用者は増えるという現状のなかで、どうやれば仕事の効率を上げていけるのか、手探りだったわけですね。吉田●ポイントとなったのは、アウトプットを上げる・インプットを下げるといった量の問題ではなく、質を上げていくことにつながらなければ、生産性向上に取り組む意義がないだろうということでした。特に介護保険は保険料と公金が入っているので、個人や事業所が求める生産性の向上ではなくて、そのことが国民にとって、また地域にとってどういう意味があるのかを加味した質の高め方を考えるべきだという議論を集中的にしていただきました。日本の医療はコストが低く1人当たり受診回数は多い。こんないい国はないと思う。──鈴木

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