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医療と介護 Next 2019 秋季増刊14済、つまりお金と切り離して考えることができないからですからね。西川●マクロの経済政策が経済社会全体をどう変えるかという話だとすると、ミクロの経済政策は、いかに新しいイノベーシ新たな出会いが新しいサービスを生み出すョン(革新)を起こしていくかということに尽きると思います。それは、単に技術革新だけではなく、いろいろな新しいつながりをつくっていくことこそがイノベーションのコア(核)だと思っています。例えば、株式会社エクサウィザーズというスタートアップ(新しいビジネスモデルで急成長を目指すベンチャー企業)は、認知症の方とのコミュニケーションを円滑にするためにAIの技術を使っています。フランスのユマニチュードという認知症の方とのコミュニケーション法とAIの技術が結婚をして、一緒に新しい付加価値を生み出していこうというわけです。技術だけでなく、銀行や鉄道会社、スーパーなど周辺の環境を整えることによって、認知機能が低下して銀行からお金をおろせないとか、買い物に行けないという不自由さが1つずつ解消されていきます。こうしたことは別に新しい技術を使わなくても、対応する人たちが繰り返し確認するなど、マニュアルを整備すればいいし、そのために店員さんや窓口対応する方たちがケアマネジャーや介護職の方たちとつながれば、そこからまた新しいサービスを生み出すことができるかもしれません。私はこのように、これまで出会わなかった方たちが一緒になって新しいサービスをつくっていくことが非常に大事だと思います。つまり、超高齢社会を明るくするのはテクノロジーやICTだけじゃなくて社会福祉の課題でもあるし、マクロ経済の課題でもあるし、イノベーションの課題でもある。そうするとみんなが一体となって取り組むインセンティブが出てくるんです。そこをつくっていくことがすごく大事だと思っています。生産性向上は、それが地域や国民にとってどういう意味があるのかを考えるべき。──吉田

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