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本書はメディカ出版より発行していた雑誌『Smart nurse』の増刊号として、2010年秋に刊行された『やりなおしのバイタルサイン』にいくつかのトピックを加え、近年の知見や考え方の変化を踏まえて纏め直したものです。人間のバイタルサインそのものはこの6年間で特に変わりません。しかし、測定用具に新しい技術が取り入れらることで測定精度が高まったり、これまでは測定が煩雑であったものが簡単に測れるようになったりしています。また、患者アウトカムに影響しうる要因がさまざまな角度から検討され、バイタルサインの意義や基準、解釈が変わっているものもあります。できる限り、こういった変化を反映させました。本書ではバイタルサインの測定を正確な方法(測定方法の選択、手技、頻度、タイミングなど)で実施することにとどまらず、測定して得たデータをどう活用して患者さんの状態を把握するかについても多くのページを充てています。ほとんどのバイタルサイン測定は、手技そのものの難易度が高いわけではありません。実際、血圧測定や体温測定などは看護基礎教育の1年目に教授されています。しかし、得たデータの解釈は対象者や状況によりさまざまで、そこがバイタルサインの奥深さといえます。それを理解していただくため、本書後半では事例を用いて、バイタルサインを解釈していくうえでのポイントを示しました。執筆者の豊富な臨床経験をベースにした事例と解説に、「なるほど!」と感じていただければ幸いです。出版にあたってはメディカ出版東京オフィスの中島亜衣氏、二畠令子氏、粟本安津子氏にひとかたならぬご尽力をいただきました。ここに深く感謝の意を表します。2016年8月 桑原 美弥子はじめに2

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