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191皮膚、皮下組織の局所解剖1章3)。基底層の基底細胞が分裂し、娘細胞が生まれて表皮表面で脱落するまでの時間をターンオーバー時間と呼び、約28日といわれている。表皮と真皮の間は表皮基底膜で結合されている。基底膜は表皮ケラチノサイトの幹細胞を含む1層の基底細胞からなる。基底膜を越えない皮膚欠損をびらん、基底膜を越えた皮膚欠損を潰瘍と呼ぶ。通常、びらんは瘢痕を残さず治癒するが、潰瘍は瘢痕治癒する(図4)。真皮は、表皮の下部に存在する構造であり、表皮と真皮とは基底膜によって隔てられている。厚さは表皮の約15~40倍である。解剖学的には乳頭層、乳頭下層、網状層の3層構造をとる。真皮を構成する成分としては、コラーゲン線維(膠原線維)にエラスチン線維(弾性線維)が巻かれ、その間隙をム表皮基底膜2瘢はん痕こん治ち癒ゆ付属器の残存しない深い皮膚欠損では,創面が肉芽組織で置換された後に周囲から表皮が伸張してくること。 用語解説真皮3図3.表皮の構造色素細胞角層顆粒層有棘層基底層基底膜デスモゾームランゲルハンス細胞表皮細胞図4.びらんと潰瘍びらん基底膜を越えない欠損(瘢痕を残さない)基底膜を越える欠損(瘢痕を残す)潰瘍基底膜

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