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12Point皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層からなり、最深部の皮下組織は脂肪層で、その下にある筋肉や骨への衝撃を吸収する働きがある。関節の構造は、骨同士は靭帯で結合され、その内側の関節包に包まれた関節腔には関節液が入っている。関節面は関節軟骨で覆われ、緩衝材の働きをする。乳房は乳腺組織、クーパー靭帯、乳頭、乳輪から構成される。乳腺は腺葉という単位からでき、すべての腺葉は1本の主乳管となって乳頭に開口する。女性内性器では、膣は子宮につながる産道となる部位で、子宮頸部は子宮体部と膣をつなぐ部分である。卵巣は子宮の両側にある器官で、卵管は卵巣と子宮をつなぐ管である。ダグラス窩(直腸子宮窩)は、骨盤腔の最も低い位置にある。創部ドレナージに関する局所解剖1 整形外科または形成外科領域の皮下留置ドレーン、整形外科術後の関節腔内留置ドレーン、乳がん術後の皮下留置ドレーン、婦人科術後の膣内留置ドレーンや骨盤腔内留置ドレーンなど、腹腔内および胸腔内ドレーン以外のもので、標準的な経過を経て抜去する場合の創部ドレーンである。 人体最大の臓器として、皮膚は外界に対するバリアであり、内部にある組織を摩耗や感染から防ぐ。表皮、真皮、皮下組織の3層が、皮膚の正常な構造や機能を維持する働きをする。皮膚の役割には、水分喪失を防ぐ、体温を調整する、微生物や物理化学的な刺激から生体を守る、感覚器としての役割など、生命を維持するための不可欠な機能がある。皮膚最深部の皮下組織は、真皮の下の脂肪層で、その下にある筋肉や骨への衝撃を吸収したり、感染から防御するもう1つのバリアとして機能する(図1)。 外傷などに対する創縫合によって、皮下は血流障害から脂肪壊死を起こすことがあり、創傷治癒の妨げとなる。また皮下に死腔が存在すると、血液・浸出液の貯留につながり、これも感染のリスクとなる。汚染創ではさらに創感染のリスクが高くなる。脂肪層が厚く皮下の死腔を減らしたい場合、汚染創で感染の可能性が高い場合、筋層の損傷を伴った場合、浸出液などが多くなる場合などでは皮下にドレーンを挿入することがある。特定行為に含まれる創部ドレーン皮膚、皮下の局所解剖

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