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14れている。滑膜で、関節液がつくられ、関節の滑らかな働きや関節軟骨の栄養に重要な働きをしている(図2)。図2.膝関節の構造(正面図):骨は靭帯で結合され、その内側の関節包に包まれた関節腔には関節液がある。関節面は関節軟骨で覆われる。2股関節 股関節は、体幹と下肢とを連結する関節で、骨盤の寛骨臼と大腿骨の球形の大腿骨頭とがなす球関節である。腸骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯および関節内の円靭帯によって強固に連結されている。球関節であるため運動の種類が多く、屈曲・伸展、内転・外転、内旋・外旋および分回し運動があり、あらゆる方向に動き、股関節の外傷疾患は歩行障害に直結する(図3)。股関節部の外傷としては、大腿骨頸部骨折、外傷性脱臼などがある。大腿骨頸部骨折は、高齢者に頻度の高い骨折である。また疾患としては、股関節炎、高齢者に多い変形性股関節症などがよくみられる。3関節腔のドレナージ 関節鏡下手術、人工骨頭置換術などの手術で、術後の関節内血腫予防、関節液排出を目的に関節内にドレーンを挿入することがある。また、手術以外に行う関節腔ドレナージとして、関節内に貯留した浸出液、血液、膿の排出などのためにドレーンを挿入することもある。(関節液)関節軟骨 滑膜半月板外側側副靭帯前十字靭帯後十字靭帯腓骨関節腔大腿骨関節包内側側副靭帯脛骨 用語解説ドレナージ血液・膿・浸出液・消化液などを患者の体外に排泄させることである。ドレーンは、そのために用いるカテーテルのことである。

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