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14透析器、透析濾過器の構造を把握し、その原理を押さえる。また、構成する材質により人体に及ぼす作用も異なってくるので、特徴を把握する。Point血液透析器および血液透析濾過器のメカニズムと種類、構造1 血液透析器(ヘモダイアライザ)および血液透析濾過器(ヘモダイアフィルタ)はともに血液浄化療法に用いられるものである。血液透析(hemodialysis:HD)に用いられるのが血液透析器であり、血液透析濾過(hemodialtration:HDF)に用いられるのが血液透析濾過器である。血液浄化は透析膜を介して血液と透析液の間での物質移動(拡散と濾過)することにより行われる。 1拡散 異なる溶液が接していた場合、溶媒中に含まれている溶質に濃度差があると、溶質が濃度の高い方から低い方へと移動する。この現象を拡散と呼ぶ。一方、溶媒である水は溶質と逆方向へ移動する。これを浸透と呼ぶ。これらの移動現象の推進力は溶質の濃度差であり、すなわち拡散・浸透によって移動する量は濃度差に比例し、溶質濃度が均一になるまで続く。 2濾過 組成の等しい溶液の間に半透膜を置き、片方に圧力を加える。すると水は半透膜を介してもう片方へ移動する。この現象を濾過と呼ぶ。この水の移動する際、半透膜の細孔を通り抜ける小分子の溶質も移動する。血液浄化療法では特に限外濾過と呼ばれる。血液透析に際しては、主に除水を目的として用いられる。 3血液透析の原理 血液透析は血液と透析液の間に半透膜を介在させ、拡散の原理による不要物質の除去、および不足物質の補給を行っている。すなわち血中濃度よりも透析液濃度のほうが低めに調整されていれば、血液から透析液へと溶質の移動が起こる。逆に血中濃度よりも透析液濃度のほうを高めに調整すれば、不足物質を血液透析器および血液透析濾過器のメカニズム123

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