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22心臓の収縮・拡張心臓の拍動の周期は4つに分類され、順に①等容性収縮期、②駆出期、③等容性弛緩期、④充満期と分けられる(図3)。また、この周期は心筋の刺激伝導系により電気的興奮が伝わることによって制御されている。心筋はそれぞれの細胞が自律的に収縮、弛緩を繰り返す性質をもっているため、これらを同期させるために刺激伝達系が刺激を伝えている(図4)。通常は下記の経路に沿って伝達される。洞結節→房室結節→Hヒスis束そく→プルキンエ線維His束は左脚と右脚に分かれる。これらの経路に伝達障害が生じると心電図上、左脚ブロックや右脚ブロックとして現れるようになる。心音心音はうっ血の際の特徴的な所見もあるため、正常の心音、異常の心音を自信をもって聞き分けられるように日頃から診療の際に意識するのがよい。Ⅰ音は房室弁(僧帽弁、三尖弁)が閉じる音であり、心電図上はS波に一致する。Ⅱ音はⅡA音とⅡB音に分けられ、ⅡA音は大動脈弁の閉鎖音、ⅡB音は肺動脈弁の閉鎖音であり、心電図上はT波の後に位置する。23図3. 血液の流れ山名比呂美 編著.はじめての補助循環.大阪,メディカ出版.2013,10.より作成心室心筋層 弛緩心室心筋層 収縮心室心筋層 強く収縮心室心筋層 弛緩僧帽弁三尖弁 閉僧帽弁三尖弁 開大動脈弁肺動脈弁 閉大動脈弁肺動脈弁 開充満期(心房収縮期)心房は心室より0.12~0.20秒前に収縮する弛緩期(等容性弛緩期)駆出期緊張期(等容性収縮期)拡張期収縮期
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