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14 中心静脈カテーテル(central venous catheter:CVC)は数多くの静脈穿刺経路からの挿入方法がある。内頚静脈・鎖骨下静脈・橈側皮静脈・大腿静脈・尺側皮静脈の左右と鎖骨上から穿刺(右のみ)などがよく行われるが、これらの方法で共通の目的はカテーテル先端を中心静脈内へ留置することである。 中心静脈カテーテル挿入における中心静脈とは上大静脈または下大静脈のことを意味している。なぜカテーテル先端が中心静脈内に留置されなければならないかというと、高濃度のグルコースからなる輸液製剤を投与するためである。中心静脈カテーテルを挿入する中心静脈栄養(完全静脈栄養、total parenteral nutrition:TPN)に用いる輸液製剤は浸透圧比が高い。この輸液が希釈されずに投与されると、血管内皮が損傷を受けて静脈炎を発生させるので、血管内に投与されたら、ただちに希釈される必要があり、血流の多い中心静脈にカテーテル先端を留置する必要がある。 もし、カテーテル異常で先端が内頚静脈に位置していると、浸透圧で血管内皮が損傷され、血管外漏出という問題が発生することがある。中心静脈にカテーテルを留置する目的 用語解説CVCcentral venous catheter、中心静脈カテーテルの略語。上大動脈または下大動脈に先端を留置するカテーテル。 用語解説TPNTotal Paraenteral Nutrtion、中心静脈栄養の略語。中心静脈カテーテルを用いて上大動脈または下大動脈から高濃度の栄養を投与する静脈栄養。Point中心静脈カテーテル(CVC)は数多くの経路からの挿入方法がある。内頚静脈・鎖骨下静脈・橈側皮静脈・大腿静脈・尺側皮静脈の左右と鎖骨上から穿刺(右のみ)などがよく行われる。それぞれに特徴を理解した上で挿入部位を選択することが重要であり、挿入部位による解剖学的位置関係で起こる合併症の違いを認識しなければならない。中心静脈カテーテルに関する局所解剖1

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