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はじめに はじめまして、こんにちは。 本書を手に取っていただき、ありがとうございます。 私はふだん産業医として、働く人たちを心身の健康面からサポートするために、企業の人事担当者や健康管理担当者のお手伝いをしています。 私の前著『ミレイ先生のアドラー流“勇気づけ”保健指導』刊行後、保健指導に関してだけでなく働く人のメンタルヘルスやコミュニケーションの専門家として医療機関から相談を受ける機会が増えました。最近では医療スタッフ向けのコミュニケーションやセルフケアなどに関する研修・講演に加えて、協力的な職場をつくっていくためのコンサルティング、個人セッションなども行っています。 私たちが悩んだり、ストレスを感じたりすることのほとんどは対人関係が原因です。とくに医療職の場合は、同僚や上司や部下、他職種の医療者に加えて、患者さんにも治療に必要な説明を聞いてもらったり、場合によっては医療的な指示を出したりしなければならず、他者に影響を与えるという目的でコミュニケーションをとる機会が少なくありません。 このような他者に影響を与えることが目的のコミュニケーション能力を身につけるためには、スキルやテクニックを身につけるだけでは不十分です。 同じことを言われても相手によって「この人の言うことなら聞いてみよう」と感じる場合と、「そんなことあなたに言われたくない!」と感じる場合がありますよね。3

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