10教えることは難しくない! 皆さん、こんにちは。札幌医科大学の杉浦真由美と申します。私はナースとして働きながら、大学院で「教え方」について学んできました。今回は、ナースが使える上手な教え方をテーマにお話しします。どうぞよろしくお願いします。 さて、ナースは誰かに何かを「教える」場面がたくさんあります。 ナースに対してであれば、新人ナースには、与薬、排泄援助技術、創傷処置など、たくさんの基礎看護技術を教えるでしょう。その他にも看護記録の書き方などを教えることもあるかと思います。さらに、違う部署へ異動するとき、新しい担当者に引き継ぐために、これまで行ってきた業務内容や教育方法などについて教えることだってあります。 患者さんに対しても、糖尿病の患者さんにインスリンの打ち方を教えるなど病気に関する指導だけでなく、院内で患者さんに道を聞かれて、外来や検査室、売店などへ案内することだってあるでしょう。建て増しなどで複雑な構造になっている病院だと道順を教えるにもコツがいります。 このようにナースは仕事中に、教える場面がたくさんあります。仕事をしていくうえで教えることから逃れられません。ところが教える場面がたくさんあるにもかかわらず、うまく教えられなくて困っていませんか? 「自分は一生懸命教えているのに、なかなかわかってもらえない……」 「きちんと教えたはずなのに『わかりません』『教えてもらっていません』といわれる……」 こんな経験をした人も多いでしょう。教えたはずなのに「教えてもらって
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