そのままの笑顔で、口元を手で隠してみて。あっ、怖い……。口角は思い切り上げているけれど、目が笑っていないのと、視線が強いわね。……。それに姿勢がよすぎて、どちらかといえば肩が反りぎみで堂々としているでしょう。威圧感があるのよね。顎もちょっと上がりぎみだし。笑顔って、口角を上げるだけじゃだめなのですね。それに相手をしっかり見ようと思って目に力を入れていたのが、仇になっていたなんて……。私、がんばってよい姿勢でいようと思っていたけれど、反りぎみで偉ぶっているように見えていたんですね……。うん。自分ではよかれと思っていたのに、残念ね。あと、ユウミさんは元気がよすぎて、話している言葉の語尾が強いかも。早口だしね。そういえば私、ふつうに話しているつもりなのに「けんか売っているの？」って言われたことがあります……。語尾が最後まではっきり聞こえるのは聞き取りやすいけれど、スタッカートのように強く言われると、言葉を投げつけられている感じがするのよね。この前、師長に怒られたときも、反省しているのに「ふてくされているでしょ」と言われて、腹が立ったことがあったんです。ユウミさん、いつも堂々としているでしょう。それが人には反省していないように見えるのかもね。う〜ん。見た目の雰囲気や声の調子も影響していたのですか……。そうよ。人はね、言葉の意味だけじゃなくて、見た目の雰囲気が与える影響が圧倒的に強くて、そのほかにも耳から伝わる影響も大きいといわれているの。だから、自分の見た目がどんなふうに人に影響を与えているか、鏡を見て客観的に知っておくことも大事だし、自分の話しかた、声の調子、スピードなどもどうか、ふだんの自分を観察しておくことが大事なのよ。そうですか。こんなふうに大きな鏡で全身をよく見たら気づきました。今度、人と話しているときに録音させてもらって、自分の話しかたを聴いてみます。そうね。それはよいアイデアね。鏡の前でも立ち姿だけでなく、歩いている姿や座っているときの姿、笑顔、ふつうの顔など、いろいろな動きや表情も観察してみるといいわね。人って、自分が思っている自分と、他人が感じている自分が違ったりするからね。はい、ありがとうございます！ やってみます！Good！ しっかりね！15 「怖そう」と言われるのは目が笑っていないから【ノンバーバルコミュニケーション】 第1章1
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