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10　皆さん、おはようございます。僕は京都にある洛和会丸太町病院で総合診療を担当しています。総合診療とは、言ってみれば「来た患者さんは何でもみるよ」というスタイルです。あまり多くはないものですから、いろいろなところで取り上げてもらって、NHKの『総合診療医ドクターG』にも出演させてもらいました。よくよく考えると、「何でもみるよ」というのは、看護師さんの領域ですよね。看護師さんは、クリニックや病院に来られた方がどんな病気であろうとみなければならない立場ですね。疾患にとらわれずにという意味で、われわれ総合診療医と共通する部分がかなりあります。　どんな患者さんにでも役立つものとなると、基本的なものを見直す必要が出てきますね。その代表的なものがバイタルサインです。「バイタル」とは、もともとどういう意味かご存じですか？　「バイタル（vital）」には、「生命」とか「命にかかわる」とか「一番大事な」という意味があります。あまり一般的に使う用語ではないですよね。例えば恋人から、「君は俺のバイタルだ」なんて告白された人はいますか？ そんなことを言われたら「何を言っているんだろう？」と思いますよね。このようにバイタルという用語は一般的ではないのですが、実は、小学校で習う言葉にも「バイタル」と同じ語源のものがあります。どんな言葉か分かりますか？　生きるために必要な栄養素は、タンパク質・脂質・糖質の三大栄養素にミネラルとビタミンを加えたものです。このビタミンの語源は、vital「命にかかわる」のがバイタル