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いう呼称で現場の対応に委ねられていたようです。 1990年代に入ると、誤嚥性肺炎についての研究が進み、口腔ケアが誤嚥性肺炎の予防に効果があることが明らかにされました。それを契機に、口腔ケアは医療、看護、介護、福祉の分野で急速に普及し始めました。 2000年代になると、口腔ケアは介護予防の観点からも注目されるようになりました。口腔ケアは口腔清掃のみを主体として捉えるのではなく、口腔機能の維持、回復を含めQOL(Qality of Life)を一定水準に保つための包括ケアとして捉えられるようになりました3)(表1)。口腔健康管理の中の口腔ケア4) 前述したような経緯から、口腔ケアの認識が職種や個人により異なり不明確なところもあったため、2015年に日本歯科医学会より「口腔健康管理」と「口腔ケア」という用語の使い分けが発表されました。 歯科治療を含め広義の意味での口腔ケアを口腔健康管理と呼び、さらに口腔健康管理は、歯科医療者の関与度が強い「口腔機能管理」と「口腔衛生管理」、そして多職種も関与する「口図2 口腔健康管理の概念文献4)p352より転載。口腔健康管理多職種と協働歯科職種の関与食事(経口摂取)への準備姿勢・体操など口腔清潔口腔清拭口腔ケア摂食機能療法口腔衛生処置口腔感染源への対応口腔衛生管理口腔機能管理う蝕処置および補綴・矯正処置などによる咀嚼機能回復ほてつ日常ケアとして多職種と協働表1 口腔ケアの目的口腔内を清掃し、清潔に保ち、感染を予防する●細菌、食物残渣の除去口腔機能の維持と向上●摂食嚥下機能の維持・向上●唾液分泌の促進●口腔内感覚の賦活QOLの維持向上口腔ケア編11

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