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81.目的は責任追及ではなく、 構造的原因を明らかにすること平成26年6月18日に医療法が改正され、医療事故調査制度が盛り込まれました。一言でいえば、医療事故が発生した医療機関において院内事故調査(院内調査)を行ない、その調査報告を民間の第三者機関(医療事故調査・支援センター)が収集・分析することで医療事故の再発防止に結びつけるという仕組みです。それまでは、各医療機関が個別に行なっていた取り組みを、医療法の中で国の制度として位置づけたわけです。この医療事故調査制度は、平成27年10月1日から施行されています。制度の目的は、何より医療事故の再発を防ぎつつ、医療の安全を確保することにあります。問題はその視点ですが、本制度では、あくまで「調査報告を通じて各医療機関が事故の再発防止に向けた学習を行なうシステム」であることが強調されています。決して当事者の「責任追及」を目的としたものではないという点が重要です(図1)。そのため調査報告に際しては、以下の3つの原則が貫かれます。調査報告の3つの原則①罰をともなわないこと(非懲罰性)②患者、医療者、報告者が特定されないこと(秘匿性)③医療機関を処罰する警察や行政から独立していること(独立性)どうなっている? 医療事故調査制度の仕組み図1 院内調査における留意事項●調査の結果、必ずしも原因が明らかになるとは限らないことに留意すること。●原因分析は客観的な事実から構造的な原因を分析するものであり、個人の責任追及を行うものではないことに留意すること。●再発防止策は、個人の責任追及とならないように注意し、当該医療機関の状況及 び管理者の意見を踏まえた上で記載すること。出典:厚生労働省医政発 0508 第 1 号「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律の一部の施行(医療事故調査制度)について」(平成 27 年 5 月 8 日). p.16 より引用

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