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床倫理的課題があると認識すればチームでの検討などが必要となってきます。 本書の目的は、現場で臨床倫理的課題に遭遇した時の解決の糸口になることですが、“これぞ臨床倫理的ジレンマ”といったことだけではなく、日ごろ、皆さんが行っている診療やケアが、“本当にG領域に入っているのか”とその都度確認することによって、個人として臨床倫理的感性を高め、その結果、チームや組織として、臨床倫理に取り組む文化が醸成されることも期待しています。社会的妥当性医学的妥当性患者の意思AECBDGF臨床倫理は、「その患者の意思や希望を医学的にも社会的にも妥当な範囲でできるだけ尊重し、実現すること」です。「今、あなたが担当しているその患者の幸せをみんなで一生懸命考えること」ともいえます。図1 臨床倫理の3視点図われわれが通常に行っている診療やケアは患者の意思(しっかりとした意思)、医学的妥当性、社会的妥当性のすべてを満たしている“はず”で、臨床倫理の3視点図ではG領域に属しています。3者のうち、一つでも欠けている場合は、臨床倫理的な検討が必要となります。131章 臨床倫理の考え方入門〜フレームワーク思考法〜
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