管理職にとって、ますます頭の痛い「働き方改革」始まる 2013(平成25)年に『現場で使える労務管理の基礎知識』を出版させていただいてから、早いもので6年経ちます。この間に、あちこちの看護協会さんの認定看護管理者の「労務管理」の講義、自治体立の病院さんやいろいろな病院看護部さんの労務管理の勉強会の講師を務める機会をいただくことができました。 その研修の場では、現場で起こる労務問題の現状をつぶさに聞かせていただき、医療現場における労務問題が医療の質に大きく影響していること、この5、6年で労務問題に目を向ける重要性についての認識が、現場も経営も高まってきたことを実感しています(でも、経営主題にはならず、経営からすると、いまだに二番手、三番手の課題なのが残念ですが)。 でも、平成最後の年であるこの2019(平成31)年4月から「働き方改革関連法」の施行がスタートしました。平成の時代は「働き方を変えないと、大変なことになっちゃうんじゃないの」ということに政府も気がつき、国民も少し気がついて、無理やりでも法律を改正したということでしょう。次の令和時代は、すぐそこ(2025年頃をいうそうです)で団塊の世代が後期高齢者に到達し、ピンピン元気に働く人が減少し、国として「お金が足りない。どうしよう、困った」「このままじゃ、日本という国が滅びちゃう(ちょっとたいそうな)」「少ない働き手でも、増えた老人の社会保障費を賄えるようにしよう。そうだ、働き方改革だ」といった具合に働き方改革が実行されていきます。 では、膨大になるであろう社会保障費を賄う秘策である「働き方改革」とは、どういったことを行うのか、ご存知ですか? 知っておかないと痛い目を見ることになっちゃいそうですよ。何せ、罰則も強化されますから。なぜ「働き方改革」が必要なのか? 建前の理由と本音の理由って何? この「働き方改革」のさまざまな施策はどこから来たのかを知っておきましょう。「そんなこと知っていてもしかたないよ」と言わず、おつき合いください。これを少しかじっておくことで、政府の本気度がわかりますから。そして、政府はどこに力を入れているのかもわかるかと思います(知っていて得なのは、どこに力を入れておくべきで、どこを手抜きできるかがわかるかも?しれないからです。←推測形にしておきました。断言してお役人ににらまれると困りますから)。 なんとスタートは2015(平成27)年10月の「一億総活躍国民会議」の設置までさかのぼります。「我が国の構造的な問題である少子高齢化に真正面から挑み、『希望を生み出す強い経済』、『夢をつむぐ子育て支援』、『安心につながる社会保障』の『新三本の矢』1 令和の御代に「働き方改革」始まる8
元のページ ../index.html#10