301050420
11/14

の実現を目的とする『一億総活躍社会』に向けたプランの策定」1)のために設置された会議です。 一億総活躍社会の定義を表━1に示しました。この3つ目に本音が見え隠れしていますよね。強い経済は、まず成長、次にそれを分配することで実現しますよと高らかに宣言しています。つまり、しっかり儲けろ、そしたら給与も上がる。それで消費が増えるから、ますます経済が成長し給与も増えるよ、と。そのためには、老いも若きも、障害などのある人も、一度は失敗した人(結婚じゃないですよ。仕事で、ですよ)も、さまざまなかたちで社会参画して働いて、しっかり儲けなさい、それができる社会をつくりましょうよ、と宣言したわけです。 そして、2016(平成28)年6月に「ニッポン一億総活躍プラン」が閣議決定されました2)。「そんな社会をつくるためには、こうすればいいんじゃないの?」というプランです。その中の項目にはっきりと「働き方改革」が入っているんです。ただ、他の項目の「子育て・介護の環境整備」にしても「『介護離職ゼロ』に向けたその他取組」にしても、すべての項目が、このプランの最初に書いてある「成長と分配の好循環メカニズムの提示」で示された「成長の果実なくして、分配を続けることはできない」という考えからつくられています。「ない袖は振れないから、まず振れる袖をつくりましょう」が根本的な考え方になっています。つまり、「働き方改革」もない袖をつくる施策なわけです。 じゃあ、なんで「働き方改革」がない袖をつくることになるのでしょうか? 説明するのが面倒くさいから(ウソですよ。あとでちゃんと説明します)結論から言うと、「日本の人口動態と就業者の推移」をここ50年くらい予測すると、今ここで「働き方改革」を始めないと間に合わないんじゃない? となったからです。わかるようでわからない結論ですね。超高齢社会のこと、どれくらい知っていますか? ここからが、「ちゃんと説明します」の部分です。日本は超高齢社会になったといわ表━1 「一億総活躍社会」とはどのような社会なのか2)一億総活躍社会とは● 若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会● 一人ひとりが、個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、それぞれの希望がかない、それぞれの能力を発揮でき、それぞれが生きがいを感じることができる社会● 強い経済の実現に向けた取り組みを通じて得られる成長の果実によって、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それがさらに経済を強くするという「成長と分配の好循環」を生み出していく新たな経済社会システム9

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る