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はじめに 気がつけば、労務管理の解説本『現場で使える労務管理の基礎知識』を出させていただいてから、早くも6年が経ちます。しかし、この6年間でも労務管理に関する法律の改正は相次ぎ、2018(平成30)年には「働き方改革関連法」が成立し、2019(平成31)年4月より施行されています。 この「働き方改革関連法」は、大袈裟かもしれませんがこれからの日本国の労働のあり方からつくられた、各種の労働関連法の改定だと考えています。だからこそ、今後長期にわたり、私たちの働き方とその管理に大きな影響を与えると思っています。 そこで今回の本は、前著をベースとして、この重要な「働き方改革関連法」の改定内容をできるだけ詳しくご紹介し、私たちがどのように対応していくべきかを考えていただくとともに、この数年間、組織やそれを構成する人たちの労働に対する考え方の変化に伴って変化してきた、新たな労務問題の解決に向けた考え方をアップデートしています。 私は現在、北野病院から特別養護老人ホームの事務部長に出向していますが、もともとは百貨店勤めをしており人事畑を歩いていました。この間、本社の人事制度構築や営業店の人事課長、子会社の総務部長と現場の人事管理を担当してきました。その経験を買っていただいたのか、北野病院に入職してからも同様に、人事制度の構築や給与・人事から現場の労務管理を長らく担当していました。 その長い経験から、労務管理は杓子定規な方法では解決できないと思っています。つまり、「法律はこうなんですよ。でも、そうしていたらうまくいかないと思うので、こうすれば皆が納得して動くんじゃないですか?」という方法論が必要だということです。そして、管理者とスタッフが「Win-Winの関係」を築けるような解決策こそが、法を重視しつつ現実的な解決につながると思って取り組んできました。 幸いなことに、あちらこちらの看護協会さんから認定看護管理者の労務管理の講師としてお声掛けいただき、講義してまいりました。受講された看護管理者の皆さんからは勉強になったとの声をいただけたので、この方法論が現場の労務管理の課題解決にはお役に立てたのかなと感じています。 最後に、「働き方改革」がスタートしたこの時期に新たな書籍の出版を企画してくださった編集部の猪俣久人さん、原稿締め切りを守らない私を叱咤しながら、あるときはアイデアを出し原稿をまとめてくれた株式会社とみにんの三重野由紀子さん、佐藤可奈子さんに感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。2019年7月 高平仁史2

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