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12面の場合、表情や声の調子といった非言語的な手がかりも重要です。同じ「○○さんが発熱しました」という言葉でも、驚いた表情で慌てふためいた調子で伝えると、発熱が何らかの重篤な症状になってしまったことを示しているのだと受け手は受け取るでしょう。 2 符号化・復号化 メッセージを通して、受け手は送り手の伝達意図を知ることになるわけですが、このとき、送り手は、伝達意図をメッセージとして変換する作業を行っていると考えられます。専門的な言い方をすれば、「符号化」です。普段、私たちは符号化を意識することはあまりありません。しかし、もし、私たちが英語で伝えなければならない場合だと、発熱したことを英語で何と言えばいいのだろうかと、符号化を意識するでしょう。ただ、日本語で伝える場合でも、どのような言い方をすれば自分の伝えたいことが伝わるのかを考えているはずです。これが符号化の作業です。表情などの非言語的手がかりも、その伝達意図から無意識的に符号化がなされていると考えられます。 受け手のほうも、メッセージを受ければ、それをすぐ理解できるわけではなく、「復号化」のプロセスが必要です。復号化は、符号化とは逆にメッセージを伝達意図に変換して戻すという作業です。言語表現によるメッセージの内容や表情などから伝達意図を知ることになります。 符号化や復号化をする場合、私たちは知識を使っています。メッセージが言語表現であれば、その言語に関する知識をもっていなければなりません。例えば英語を使うのであれば、英語の言語表現に関する知識をもっているから、符号化や復号化ができることになります。2

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