はじめに3概念化スキルに関わる書籍は、『看護管理者の必須条件 概念化スキルが確実に身につく本』と『ステップアップ 看護マネジメントリフレクション+概念化スキル』(共にメディカ出版)の2冊を出版させていただきました。これまで難しい、どう教育してよいかわからない、と言われていた「概念化スキル」についての基本的な考え方については、2冊の書籍でご理解が深まったと思います。おかげさまで、「概念化スキル」「看護マネジメントリフレクション」に関する研修講義のご依頼も全国から多くいただき、現場での声をお聞きできる機会を得ることができました。身につけた概念化の知識を実際の看護管理の現場で活用できているかどうか、とお聞きすれば、まだまだ十分とは言い難い状況でした。病棟での組織分析や問題の発見、スタッフの指導育成、労務管理、会議時と、概念化スキルを活用できる場面は多岐にわたります。概念化スキルを活用して、問題の本質をとらえることで解決できることもたくさんありますが、そこまで行きつかないケースも多くありました。そこで本書では、実際の管理実践場面を想定して、概念化スキルをどう使うのかを、できるだけ事例を用いてお示しすることとしました。何より現場での質の高い看護管理実践を願って、本書は生まれたのです。ますます環境は厳しくなり、多忙を極める看護現場の管理者にとって、本書が少しでもお役に立てれば幸いです。最後になりましたが、今回の出版にあたりご協力いただいた社会医療法人 ジャパンメディカルアライアンス 経営企画本部 看護統括部 恩田美紀部長、そして企画から編集、校正まで的確なアドバイスをいただいたメディカ出版 猪俣久人さんに、心より感謝を申し上げます。2019年8月河野 秀一はじめに
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