301050490
10/14

8 今では、多くの病院・看護部で目標管理制度が行われています。個人の目標管理だけでなく、病院、看護部、病棟という組織においては、目標管理を一歩進め、BSC(バランスト・スコアカード)に進化させている病院も多く見られます。それだけ看護管理者にとっても医療機関にとっても、目標管理制度は極めて普遍的なマネジメントツールになったと言ってよいでしょう。 そもそも目標管理は、1954年に経営学者のピーター・ドラッカーが提唱した組織のマネジメントツールです。英語で表すと、Management By Objectives and Self-Control。略してMBOともいわれ、英語の後半の「and Self-Control」部分が省略され「目標による管理」と訳されて日本で普及しました。しかし、大事なのは、この「and Self-Control」なのです。「Self-Control=自己管理=自主性」とすれば、以下のように考えられます。 すなわち、「自分で設定した目標はなんとか達成したい」と思う人間の性質、行動科学に基づいていることがわかります。目標管理制度は「管理者が部下に目標を与え、ノルマとして管理する制度」と誤解している人がときどきいます。しかし、あくまでも自主性を重んじたものが「目標による管理」ですので、注意してください。 そもそもマネジメントツールということは、目標管理は、組織の「成果・業績」を求めるための「道具」であると考えられます。一方、目標管理は組織や個人の目標管理制度の意義1職務遂行を本人の自主性に任せる↓主体性が発揮される(命令・言われてやるのではない)↓結果として大きな成果が得られる 

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る