第1章 今なぜ目標管理なのか9成果・業績を上げるためのツールではありますが、業績を評価できる機能を持っていることから、一般企業を中心に人事考課ツールとしても使われてきました。今では一般企業の7割以上が、何らかの形で目標管理制度を導入しているといわれています。 一方、病院ではどうでしょうか。日本医療機能評価機構の病院機能評価において、「看護部門で目標が設定され管理されている」という評価項目が掲げられて以来、一気に普及しました。よって、看護部門で先行的に導入されているケースが多く、その活用方法はほとんどが「育成ツール」としてです。目標管理を使って、スタッフを育成していったのです(図1-1)。 目標管理を提唱したピーター・ドラッカーは、次のように言っています。「今日必要とされているのは、一人ひとりの強みと責任を最大限に発揮させ、彼らのビジョンと行動に共通の方向性を与え、チームワークを発揮させるためのマネジメントの原理、すなわち一人ひとりの目標と全体の利益を調和させるマネジメン目標管理が必要とされる背景2 図 1-1 ⃝ 役割理論と育成ツールとしての目標管理スタッフの成長〈目標管理制度〉役割から目標設定→役割遂行→成果上司の支援・面接スタッフへの役割の付与
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