2012年に『超実践 看護スタッフが立てた困った目標の指導どころ 添削事例20』を上梓させていただいてから、早9年が経とうとしています。おかげさまで、全国の実に多くの看護管理者にお読みいただき、ご活用いただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。そして、今回、内容を刷新し、新たに目標管理の本をつくりませんかとメディカ出版さんからお話をいただき、前著を大きく加筆・修正した本書を執筆致しました。言うまでもなく目標管理制度は、看護管理者にとって有用なマネジメントツールです。組織の成果を上げることができる一方で、スタッフの能力開発・育成にも有用です。全国の病院・看護部に導入された今では、完全に定着したと言ってよいでしょう。2018年3月に改正された認定看護管理者教育課程セカンドレベルの到達目標を見ますと、「組織の理念と看護部門の理念の整合性を図りながら担当部署の目標を設定し、達成に向けた看護管理過程を展開できる」とあります。これは、まさに目標管理のことを指しています。目標管理を使ってのマネジメントは、看護師長クラスの管理者に必須のものであり、使いこなさなければならない、と言ってよいでしょう。本書では、前著で好評をいただいたスタッフの目標赤ペン添削事例を、病院看護管理者だけでなく、在宅・介護施設で働く管理者向けの目標も網羅し、トータルで25事例に増やしました。また、新たに、組織分析や組織目標についても赤ペン添削ページを掲載しています。前著以上に、内容が充実しておりますので、地域包括ケアシステム時代の看護管理にぜひ、ご活用いただければと思います。最後になりますが、今回、企画から刊行するまでご尽力いただいた、株式会社メディカ出版の猪俣久人さんに、心より感謝の意を申し上げます。 2020年12月河野 秀一はじめに
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