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1.看護のキャリアをデザインするということ11ひとの生涯にわたる期間における、仕事関連の諸経験や諸活動と結びついた態度や行動における個人的に知覚された連続である」と定義されています。言葉自体は馬車の轍が語源とされ、通ってきた道を振り返ってみたときに、そこについていたその車輪の軌跡(轍わだち)が「キャリア」です。ですから「キャリアを考える」とは、目標設定と達成のための計画を考えることではありません。どこに向かっているかではなく、その轍をどのような軌跡にしようとしているのか、太さや深さ、形、曲がり方、通った道などを大事にしていくことがキャリアを考えることであり、デザインすることなのです。 看護職で言うならば、どのような看護を大事にしていくのかが考えられていなければ、看護のキャリアデザインにはなりません。看護職としての生き方は大事にしたい看護に現れるからです。そしてそれが、自分自身の人生のテーマにつながっていると考えます。とはいえ、最近は看護の経験ではなく、資格を活かして医療や介護に関係しつつキャリアを歩む人も増えています。そのような場合、看護職としてのキャリアデザインではなくなる場合もあります。}}キャリアカウンセリングとは、仕事を通じて生きる意味を見出すこと 私が看護職のキャリアデザインを支援するときの手段は、キャリアカウンセリングです。キャリアカウンセリングで扱う事柄は過去の経験です。デザインをするというと未来のことを話し合うイメージかもしれませんが、思い付きで話し合っていても意味がありません。もちろんチャレンジしたい気持ちは応援しますが、キャリアカウンセリングでは「本当にそれがあなたの自己実現になりますか? 人生のテーマにつながっていますか?」という問いを一緒に考えていきま

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