3いた生産年齢人口が2030年には約6,800万人になる―に向けての大きな変化(働き方改革)が進んでいます。また、この書籍を作っているときに、新型コロナウィルス感染症の世界的流行が起こり、医療への多大な影響は看護職のキャリアにも大きな変化を及ぼしたように感じます。看護職に対する認識や期待、一方で、差別問題などが浮かび上がりました。受け止め方は立場などによってさまざまであるとは思いますが、看護職の働き方にも大きく影響を及ぼしていることは間違いないでしょう。この状況をどのように受け止めているのか、経験していることが自分のキャリアに影響することを意識しているのか、管理者であれば、まずはスタッフと話をすることから始めたいものです。近年の日本は地震や災害など予期せぬ大きな出来事に揺れ動いているように思えます。看護職は人の健康を支援することで生き方を支える職業ですから、大きな出来事があるたびに、看護職としてのありようを問われていると実感します。大きな波に飲み込まれて自分の人生を見失うことのないように、自分がどう生きていきたいのか、看護職である自分がどう社会に貢献するのか、その手段を一緒に考えてほしいと思っています。* 本書は、『ナーシングビジネス』誌の連載を元に、一冊の本という形にしたものです。今回、このような書籍を出版できる機会をいただきましたこと、ご支援いただいた皆様に感謝申し上げます。私は2006年に、フリーランスで看護職のキャリアを支援する道を選択しました。30歳代半ばのことですから、看護職としては未熟かつ看護の世界しか知らない世間知らずの若輩者でした。ただただ、看護職が元気に働き続けて患者さんにも質の良いケアをするために自分の出来ることをしたいという思いだけでスタートしました。本書の上梓を前にしてこれまでを振り返ると、自分が皆様に支援されてここまで歩んでこられたことに気づかされます。健康に自分らしく生きることを共に支える仲間として、今後も、読者をはじめ看護職の皆様と一緒に歩んでいきたいと思います。2020年7月濱田安岐子
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