13ズバリわかる! 2020[令和2]年度診療報酬改定2020[令和2]年度診療報酬改定の基本方針1. 改定に当たっての基本認識 わが国は、国民皆保険や優れた保健・医療システムの成果により、世界最高水準の平均寿命を達成し、人生100年時代を迎えようとしています。人口構成の変化を見ると、2025年にはいわゆる団塊の世代が全て後期高齢者となり、2040年頃にはいわゆる団塊ジュニア世代が65歳以上の高齢者となって高齢者人口がピークを迎えるとともに現役世代(生産年齢人口)が急激に減少していきます。 このような中、社会の活力を維持・向上していくためには、健康寿命の延伸により高齢者をはじめとする意欲のある方々が役割を持ち活躍のできる社会の実現と「全世代型社会保障」を構築していくことが急務の課題です。 わが国の医療制度は、人口減少が進展する中で、地域医療の確保、少子化への対応といった様々な課題に直面しています。これらの課題に総合的に対応しながら、世界に冠たる国民皆保険を堅持し、あらゆる世代の国民一人ひとりが安全・安心で効率的・効果的な質の高い医療を受けられるようにすることが必要不可欠です。また、医療を取り巻く環境の変化や多様な国民のニーズに柔軟に対応することが重要です。 そのためには、来たる人口減少社会に備えた将来の医療体制の展望を見据え、国民一人ひとりの予防・健康づくりに関する意識を涵養(かんよう)し、健康寿命の延伸により長寿を実現しながら、患者・国民にとって身近でわかりやすい医療を実現するとともに、医師等の働き方改革を推進することが必要です。その際、高齢化や技術進歩、高額な医薬品の開発等により医療費が増大していくことが見込まれる中、効率化・適正化を進め、制度の安定性・持続性を確保しつつ経済・財政との調和を図る観点も重要です。
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