3感染患者入院受入病院」であった。院内機能を感染症対策に集中させるため、緊急時以外の手術の延期や外来診療の一時休止の措置を取るところが多く、病院経営に大打撃を与えた。今回の件で、医療機関によっては医療従事者への賞与の減額を考えているという。 これに対して、政府は2020(令和2)年4月から新型コロナでのICU入院料を通常時の2倍にするとともに、重症者以外の新型コロナ患者を治療した病院への報酬も上積みする対応をとった。5月には重症者を受け入れるICUの入院料を通常の3倍となる1日24万~42万円に引き上げることを検討している。 新型コロナウイルスの影響は未来の医療従事者である学生にまで及んでいる。FREE高等教育無償化プロジェクトが医学生を対象に行ったインターネット調査によると、「親の収入減などで大学をやめることを考えている」医学生は「少し考える」が6.3%、「大いに考える」が0.9%であった。「やめないが休学を検討」も1.3%となっている。家計を支えている人への影響(複数回答)は、46.9%が「収入が減った」、4.0%が「収入がなくなった」との回答だった。また、病院などでの実習が中断、進級や医師国家試験への影響を不安視する声もあった。同様の問題は、看護学部や薬学部等にも出ている。つまり新型コロナウイルスにより、未来の医療従事者が減ってしまう可能性もあるのだ。 コロナウイルス関連の診療報酬は流動的であるため、本書では敢えて掲載していない。最新情報は厚生労働省のホームページを参照されたい。2020年6月谷島 智徳
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