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10 一般的に看護研究で収集されるデータは,「量的データ」と「質的データ」に区別されます.量的データとは,血圧や時間・体温・脈拍などそれらのデータを計る専用の測定器機や器具を使用し,数値(数字)で測定(収集)されるものをいいます.(「数値データ」とも呼ばれます). 一方,質的データとは,血液型(A型,B型,O型,AB型)や性別(男,女),「好き,嫌い」「美味しい,まずい」「安心,不安」など主にアンケート調査などを用い収集されるものをいいます.(「文字データ」とも呼ばれます).ただし,統計学はいわゆる数学のため,文字データのままでは数式(計算式)にあてはめて計算することはできません.対策としてはある条件に従い文字データを数値データに変換し数式(計算式)にあてはめるという「手」が考えられています.統計学は看護研究の道具の1つと割り切る 統計学を難しい(ニガイ)数学と思い込んでいるうちは,なかなかス~ッとは飲み込めないものです.ここは,「統計学は看護研究の道具の1つ」と割り切り,どのようなデータに対しどのような検定法がふさわしいかだけ44を理解することに努めるべきです.これだけでも,臨床での看護研究で困ることはほとんどないと思います.難しい統計学もオブラートに包めば,意外に美味しく飲み込めるものです.量的データも質的データも量的研究に効く 量的(数値)データ=量的研究用データ,質的(文字)データ=質的研究用データとカン違いしている研究者がいますが,これは大きな間違いです.量的(数値)データはもちろん,質的(文字)データも,数値化という手法により,ともに量的研究用データとなりえます.量的データと質的データ3

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