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 看護研究で収集されるデータは,「客観的」な分析が必要と考えられているため,どうしても「統計学という力」に頼る必要性が求められてきます.しかし,この「統計学」はいわゆる数学の世界の代物のため臨床ナースの看護研究の苦手意識を助長する一因となっています. もっとも! 書店に行けば,統計学に関する教育書はいくつも並んでおり,統計解析ソフトなども数多く販売されています.しかし,臨床の現場で多忙を極めるナースにとって,見慣れぬ用語が頻出する統計学の本を何冊も読破する時間もありませんし,いきなり高額な統計解析ソフトに投資するのもためらわれることと思います. そこで,今回,誰でも気軽に統計学の力をモノにでき,かつナースのサイフにもやさしい書籍の執筆に取り組み,このたび「はじめての看護研究シリーズ」の一冊として出版するに至りました.この一冊さえあれば! 統計のリクツがやさしく理解でき,あなたが取り組んでいる看護研究にどの検定法が適しているのかもフローチャートであっという間にたどり着けます. 解説文も私自身の看護研究の経験をもとに統計学のノウハウを整理し,難しいところはバッサリと省き,おいしいところだけで構成されていますから,すぐにでもあなたの看護研究に活用することができるものと思います. ズバリ! 手っ取り早く!お手軽に! チャチャっと! 統計学をマスターしたいというナースにはもってこいの一冊のハズです.もちろん,はじめて看護研究指導に当たられる先輩ナースの方々にもお役に立てる一冊だと思います. 本書を片手に,あなたが楽しく看護研究に取り組まれることをこころから切願しております. 2012年1月1日    雪のない新年の大阪にて…及川慶浩  はじめに

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