クリエイティブな選択肢を持つこと吉岡純希9章1「デジタルアートと3Dプリンタでケアをする看護師」と書かれたプロフィールを見て、単純に「看護とどうつながるのだろうか……」と疑問に思っていた私。しかし、看護とクリエイティブについて、吉岡さんの話を掘り下げていくと、看護の視点で患者さんをケアする方法は、無数の選択肢と可能性に満ち溢れていることを知りました。インタビューは、吉岡さんがCEOを務める「NODE MEDICAL」の活動の場でもあるシェアオフィスの一角で行うことに。八~十人ほどが入る会議室の棚には、3Dプリンタとその材料、レーザーカッターが並べられていました。椅子の背もたれが蜂の巣のような六角形模様(ハニカム構造というらしい)になっていて、思わず「術後に使うドレッシング材(オプサイトPOST-OPビジブル)みたいだ……」なんて考えてしまった私です。つまり、おしゃれなオフィスだということです(笑)。そうこうしているうちに、吉岡さんが会議室へ。「どうもどうも~」と気さくな雰囲気で、名刺交換もそこそこに、会議室でいちばん目立つ3Dプリンタをまず見せてもらいました。素材には硬いものから柔らかいものといろいろと種類があり、黄色やピンクなど色合いもカラフルで、依頼内容に合わせて使い分けているそうです。さっそく吉岡さんにお話を伺います。インタビューといえば、向かい合わせになって面接のようなイメージを持つかもしれませんが、なんとなく私は吉岡さんの隣に座り、ペンとメモを用意しました。
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