302010300
11/14

09 NPPVは従来の気管挿管下の侵襲的人工呼吸(invasive positive pressure ventilation;IPPV)と比べ,導入の容易さと簡便性,患者に対する侵襲度が低いというメリットがあります. 急性呼吸不全患者に対する人工呼吸療法の適応は,本人および患者家族の希望,臨床経過,増悪をきたした原因の可逆性などにより,総合的に判断されるべきです.★各種インターフェースの比較経口・経鼻挿管気管切開NPPV長所⃝簡単,手術なしで素早く行える⃝出血の危険性が少ない⃝気管より上のレベルでの障害を起こさない⃝気道吸引が容易⃝太い気管チューブの使用が可能⃝患者に苦痛がない⃝気管チューブの交換が比較的容易⃝工夫により会話可能⃝経口摂取可能⃝挿管よりも簡便で素早く行える⃝挿管・気管切開に伴う合併症を起こさない⃝中断・再開が容易短所⃝気管レベルより上(鼻腔,咽頭,声門,声門下)での障害が起きやすい⃝気道吸引がやや困難⃝患者に苦痛⃝会話不能⃝手術操作に関連した合併症(出血,感染,気胸など)の可能性⃝遅発性合併症(抜去困難,瘢痕)の可能性⃝マスクによる皮膚の発赤・潰瘍などの可能性⃝換気・酸素化の確実性の面で劣る⃝患者の協力が必要 NPPVがうまくいかなかった場合に,IPPV,気管切開下陽圧換気療法(tracheostomy positive pressure ventilation;TPPV)に移行するのか,NPPVを最大限の治療とするのかなどを,事前に(できれば安定期に)本人・患者家族および主治医でよく話し合っておきましょう.NPPVがうまくいかなかったらどうするの?ここに注意!

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る