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◦1番目の数字のはなし◦200° ―ばち指の症状がある患者さんの爪先の角度7患者さん「ここ何ヵ月かの間に、指輪が入らなくなりました」私「あ、本当ですね……」 給料ウンヵ月分だという、大事な結婚指輪を持って来院した30代の女性患者さん。近医から胸部異常陰影で紹介されてきました。手を見てみると、典型的なばち指でした。ばち指というのは、その名の通り指先が太鼓のバチのようになる病態を指します。とはいっても、日本の太鼓のバチは丸太みたいに太いので、実際のばち指とは少しシルエットが違います。実際にはビジュアル系バンドのドラマーが持っているスティックを想像してください。先のほうが少し膨らんでいるでしょう? あのような状態をばち指と呼びます。 一見すると関節症のある患者さんのように見えますが、不自然に指先だけが太くなるので、よく見るとばち指だなと誰でもわかります。 みなさん、指を横にしてみてください。通常なら、第1関節(DIP関節)・爪床・爪先はほぼ一直線になりますよね。しかし、ばち指はここが180°ではなく、200°くらいになると言われています。200°という角度、ちょっとわかりにくい。患者さん「ここ何ヵ月かの間に、指輪が入らなくなりました」私「あ、本当ですね……」ばち指200°1番目の数字のはなし 200°― ばち指の症状がある患者さんの爪先の角度

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