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8ペースメーカ・ICD・CRT-Dとは東京女子医科大学 柳下大悟ペースメーカは,徐脈性不整脈に対する非薬物治療として用いられる体内植込み型の電子装置(デバイス)である.心内あるいは心外膜に留置されたリード(電線)を通して電気刺激を行い,徐脈化した心拍数を是正する.植込み型除細動器(ICD)は,心室性頻脈性不整脈に対する非薬物治療として用いられる体内植込み型デバイスである.リードに付随したコイル電極と本体との間に直流電流を流すことによって電気ショック(除細動)を行い,心室頻拍や心室細動などの致死性不整脈を停止させる.慢性心不全患者において,伝導遅延により左心室内に生じた収縮の時間差(収縮非同期性)を是正するため,通常の右心室リードに加え,冠静脈側壁枝にリードをもう1本留置して両心室ペーシングを行うことで収縮非同期性を是正する治療を,心臓再同期療法(CRT)という.ペーシング機能のみのCRTデバイスをCRT-Pといい,ICD機能が付随したCRTデバイスをCRT-Dという.1ペースメーカとは●ペースメーカ本体①ヘッダー②IC回路③電池(リチウム電池)④心房リードポート⑤心室リードポート⑥セットスクリュー⑦スーチャーホール⑧心房リード⑨心室リード⃝ペースメーカ本体内部には電池と電子回路が収納されており,ヘッダー部のコネクターによってリードと接続される.電子回路部位で自己脈の有無を感知しながら,設定された心拍数を下回らないように電気刺激を行う.⃝心房および心室にリードを留置することでいずれの部位もペーシングすることができるが,異物・血栓形成の観点から静脈系(右心房あるいは右心室)に留置する.心房あるいは心室の一方にリードを留置するものをシングルチャンバーペースメーカといい,心房および心室の両方にリードを留置してペーシングを行うものをデュアルチャンバーペースメーカという.⑧⑨②③①②③⑦⑥④⑤

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