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9第部1主な疾患とその看護虚血性心疾患1急性冠症候群1[労作性狭心症と心筋梗塞の違い][狭心症の種類]労作性狭心症 ● 労作による心筋酸素需要増加のため,一過性の心筋虚血状態となり狭心痛をきたす疾患労作性狭心症心筋梗塞胸痛 ● 前胸部絞扼感・圧迫感 ● 数分~10分以内の痛みの継続 ● 安静により寛解 ● 激烈な疼痛 ● 20分以上継続する痛み ● 安静により寛解しない12誘導心電図検査ST下降T波増高,ST上昇,異常Q波,冠性T波血液検査WBC,CK,AST,LDH正常WBC↑,CK↑,AST↑,LDH↑ニトログリセリン効果著効無効病態 ● 冠動脈の狭窄 ● 一過性の心筋虚血(壊死に至らない) ● 冠動脈の閉塞 ● 心筋壊死 ● 安静時には狭心症状がなく,労作時のみ症状が出現する ● 歩行をやめたり階段の途中で一息つくと胸痛は消失する ● 労作をやめても消失しないときにはニトログリセリン錠を舌下すると,数分以内に症状が治まる ● 血液検査でWBC↑,CK↑,AST↑,LDH↑,赤沈↑がない ● 運動負荷心電図で陽性反応がみられる ● 外来を訪れる診察の時点では胸痛はなく,心電図も正常所見であることが多い特 徴①階段昇降(マスター負荷試験)②ベルトコンベア上を歩行(トレッドミル負荷試験)③自転車こぎ(エルゴメーター負荷試験)運動負荷試験の種類カナダ心臓血管学会(CCS)の労作性狭心症の重症度分類1度歩いたり,階段を上ったりするような通常の労作では狭心症は起こらない激しい長時間にわたる運動により,狭心症が出現する2度日常の生活ではわずかな制限がある.①急いで歩いたり,②急いで階段を上ったり,③坂道を上ったり,④食後・寒い日・風の日・感情的にイライラしたとき・起床後2時間以内,に歩いたり階段を上ったりすると狭心症が起こる普通の速さで,200m以上歩いたり,2~3階まで上ったりすると,狭心症が起こる3度日常生活の著明な制限がある.100~200m歩いたり,1階分上るだけで狭心症が起こる4度どのような肉体的活動でも狭心症が起こる.安静時に胸痛があることもある
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