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11第部1主な疾患とその看護虚血性心疾患1急性冠症候群1[心筋梗塞] ● 冠動脈の閉塞,または狭窄によりその血流域の心筋が壊死に至った状態をいう ● 重症度を判定する基準としてキリップ分類が用いられる重症度臨床状況A心筋虚血を増強する心外条件がある(二次性不安定狭心症)B心外条件がない(原発性不安定狭心症)C急性心筋梗塞発症後2週間以内に発症(梗塞後狭心症)Ⅰ2カ月以内の新規発症重症狭心症または増悪型狭心症(安静時狭心症なし)ⅠAⅠBⅠCⅡ1カ月以内に発症したが48時間以内に症状のない安静狭心症(安静時狭心症,亜急性)ⅡAⅡBⅡCⅢ48時間以内に発症した安静狭心症(安静時狭心症,急性)ⅢAⅢBⅢC不安定狭心症の重症度分類「ブラウンワルドの分類」2)ブラウンワルドの分類では,さらに発症時点の治療の程度で,次の3群に分けられています  ①未治療,または最低限の狭心症治療群  ②適切な狭心症治療群  ③最大限の狭心症治療群ブラウンワルドの分類は,重症度・臨床状況・治療状況が考慮された分類であるため,臨床では治療法の選択や予後を予測するうえでより有用と考えられています ● 30分以上持続する激しい胸痛 ● ニトログリセリンを用いても軽快しないことが多い ● 聴診でⅠ音減弱,Ⅱ音・Ⅲ音の聴取,心膜摩擦音(2~3日後)が聴かれる ● 12誘導心電図で尖鋭T波,ST上昇,異常Q波がみられる ● 血液検査でWBC↑,CK↑,CK-MB↑,AST↑,LDH↑,CRP↑,赤沈↑,トロポニンT↑特 徴キリップ分類:急性心筋梗塞の重症度分類群臨床症状Ⅰ群心不全の徴候なし ● 肺野にラ音を聴取せずⅡ群軽度~中等度の心不全 ● 全肺野の50%未満でラ音聴取 ● Ⅲ音聴取 ● 頸静脈怒張Ⅲ群重症心不全(肺水腫) ● 全肺野の50%以上でラ音聴取Ⅳ群心原性ショック ● 収縮期血圧90mmHg以下 ● 末梢循環不全の存在    乏尿(20mL/時未満),意識障害,末梢血管収縮(冷たく湿った皮膚,チアノーゼ) *  除外:胸痛,副交感神経緊張(徐脈,低血圧症候群),不整脈,薬物,循環血液量の減少などに伴う血圧低下

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